外へ出れば、自然に生えている野草の種類は本当に沢山あります。普段は見過ごしていても、意識的に野草を探してみると今までになかった視点が徐々に出来上がってきます。
眺めるだけではなくて、すぐにでも気軽に野草を味わってみたいと思っても、特に最初のうちは分からないことだらけですよね。
その際最も注意が必要なのは、毒を有する植物または人にとって有毒の植物も存在する点です。スーパーで売られている食品と違って天然のものですから、安心していただくためには先人の知恵を借りて予備知識を事前に得ておく事は非常に大切です。
基本的に、分からない野草は触らず且つ食べないという判断も、身を守るためには賢明ですね。
どんなことに気を付けたらいいか、気になった書籍からご紹介させて頂きます。情報も実践も、最終的には各自のご判断によりますことはご了承のうえ、ご一読いただきますと幸いです。
こんな場所は要注意!野草を摘むところは考えましょう
摘む前に、野草の生えている場所をよく観察することは大切です。美味しく頂くためにも、以下の点に注意して場所を選んでみましょう。
①除草剤をかけた畑、田んぼ、庭の草
出典:小崎 順子.『楽しくおいしく 雑草クッキング』.社団法人 農山漁村文化協会、1990、P.114.
②犬や猫の糞が多い道草
③車の多く通る道端の粉塵で汚れた草
④人家から離れた山道やあぜ道には毒草が混じっていることがあるので注意します。
①は、本当に注意が必要ですね。一年を通して観察できている場所なら、除草剤が撒かれた時の状態が把握できるので、「あの道のあの一帯は黄色くなっていた事があったから摘むのは避けよう」と判断できることもあります。
②や③は、視覚的にわかりやすいので、自然と気を付けて避けられるのではと思います。
④の人里離れた山の方では、生えている植物も様変わりするので知識が余計に必要になりますね。有毒植物に関しては別記事に書きたいと思います。
毒草を知るのも大切ですが、
まずは、分かりやすく耳馴染があるような、見つけやすい身近な野草から徐々に知って行き、少しずつ楽しんでいくのが覚えやすいのではと思います。
自然界では人間が訪問者。”君子危うきに近寄らず”
自然界は、人間を中心につくられた世界と言い切れるでしょうか。
実際、自然から多大な恩恵を与えてもらって生活できていますし、優しい面も知っています。それと同時に、丸腰の人間からみれば厳しい面や、親和性とは真逆の側面も持ち合わせているのも確かです。毒を持っている生物も、その存在なりの処世術があるのだと思います。
誰に管理されるでもなく、多様な生物が循環して成り立っている自然界。人間では把握しきれない絶妙なバランスの中で、野生の動植物たちは関係し合って共生しています。
もしも毒草らしきものを見つけた時には、君子危うきに近寄らず、そっとしておきましょう。
この星と自然の営みに敬意を払いながら野草と関わりたいと、私は常々思います。