名前に鬼が付く、身近な野草、オニノゲシ。
”鬼”のつかない、普通の”ノゲシ”とは別の種類の野草で、
名前のインパクトだけでなくて、実は葉っぱがツンツンしていてユニークな植物なんです。

ノゲシは何となく聞いたことがあるけど
オニノゲシは初めてかも?
ホトケノザと同じ時期ぐらいに、地面に張り付くように葉を広げる、生命力あふれる野草の一つである「オニノゲシ」についてご紹介します。(野草をいただいた詳細はこちらのエッセイからどうぞ)
キク科の帰化植物

オニノゲシ(鬼野罌粟)は、キク科ノゲシ属で、春に花を咲かせるヨーロッパ原産の植物です。
ノゲシによく似ていますが違いもあり、一番の特徴は葉っぱのトゲにあります。
ノゲシは葉っぱの縁をさわっても痛くありませんが、オニノゲシの葉っぱは縁に鋭いトゲがあり、出始めの若葉でさえも触るとチクチクします。
ノゲシより大きくそのトゲのある様子から頭にオニが付きました。(極端に大きくなるものや、荒々しい印象のもの、トゲのあるものなどの場合に、”オニ”という名前が付くそうです)
明治時代に日本に入って来た帰化植物です。日本では全国的に分布しています。
道端や、空き地などの荒れ地に多く見られます。
越年草(秋に発芽し越冬した翌年に花が咲く)で、草丈は50~100cm、大きいもので200cmほどになるものもあります。
濃い緑色の葉は独特で光沢を帯び、かわいらしい黄色い花を咲かせます。花期は4月~10月。
ちょっと厳つい姿形をしていますが、茎は中空になっていて、力を加えると簡単に切れます。
意外と美味しい野草

名前も見た目も近づきがたいようなオニノゲシですが、じつは食べられます!
若葉ならば苦みも、えぐみもそこまでなく、比較的食べやすいです。
トゲは口の中で痛むほど鋭いことはないですが、火を通すとトゲやえぐみが気になりにくくなります。
おひたしにしたり、胡麻和えなどの料理が好まれることが多いようです。
筆者は、油で卵と炒めたら、まるでホウレンソウのような風味をどこかに感じ、意外に美味しい野草だと驚きました。
少しトゲがあって食べづらいと思いきや、その味の良さは新しい発見でした。オススメの野草の一つです!(野草をいただいた詳細はこちらのエッセイからどうぞ)
効能はあるの?

オニノゲシにも、民間でつたえられてきた効能があります。
よく乾燥させたあとに煎じて飲むと、胃が強くない方や不眠症の方に効くそうです。
胃を健康にして、安眠効果も期待できるんですね。
よく眠れなくて悩まれている方は、ぜひ試してみてはいかがでしょうか。
まとめ
オニノゲシは、キク科ノゲシ属の野草です。道端や空き地などの、荒れ地によくみられる植物です。
普通の”ノゲシ”もあり、その違いは、オニノゲシのほうは光沢した葉っぱの縁に、鋭いトゲがあることです。
筆者はとても美味しく、食べやすい野草だと感じました。そんなに苦みもえぐみも多くはありません。
出始めの頃は地面に張り付くように生えて目立たないかもしれませんが、暖かくなればものすごく大きく生長する植物です。(草丈は50~200cm)
胃が弱いとき、夜眠れないときに、乾燥したオニノゲシを煎じて飲むと、薬効が期待できます。
葉っぱのツンツンが特徴の「オニノゲシ」。散歩中に見つけてみてはいかがでしょうか。
(※野草の探し方で気を付けること』の記事もご一読下さい)
エッセイと実際作ってみたレシピはこちらから。