道端で最もよく見かける野草の一つ、カラスノエンドウ。
実は、食べることができるってご存じでしょうか?青臭くなくて、とても美味しいんです。(詳しくはこちらのエッセイで)
てっきりカラスの食べ物だと思ってたけどそうじゃなかった!
雑草として一括りにされがちですが、実際どんな野草なのか「カラスノエンドウ」についてまとめました。きっと、カラスノエンドウを見る目が変わります!
日当たりのいい所に生えるマメ科の植物
カラスノエンドウは、マメ科で、細い巻きひげを支えに伸びるのが特徴のツル性の植物です。矢筈のような形状の葉先をしていることから、別名「ヤハズエンドウ」とも呼ばれます。
本州から沖縄にかけて、日当たりのいい野原や草地などに生え、冬が終わる頃から春にかけてぐんぐん立ち上がってきます。私の住んでいる地域では2月には若芽が出てきて、春の陽気で一気に茂ってきました。
花の咲く時期は3月~6月。花が咲いても食べられます。ちなみに花が咲く前のカラスノエンドウも柔らかくて美味しいです。花の色は紫色で、調理すると褪せてしまうのがもったいないほど美しい色です。
栄養価が豊富で美味しい
カラスノエンドウは、タンパク質が豊富に含まれています。またカラスノエンドウは中国で飢饉のときに食べられていたそうです。昔の人はどの草に栄養があるか、経験で知っていたんですね。
アクやエグみや青臭さもない、とても食べやすい野草です。お浸しや和え物をはじめ、汁物にも合いますし、天ぷら、炒め物も美味しいです。特にバターと相性がよく優しい味がしました。
他にも、民間療法で次のような効果もあります。
【薬効】血行をよくする……日干しにした葉五グラムを水四〇〇㏄で煎じ、一日三回に分けて飲む。腫み、解熱(マラリヤなど)、内臓(胃腸など)の働きを高める……乾燥させ全草二〇~三〇グラムを六〇〇㏄の水で弱火で半量まで煎じ、食前に三回に分けて飲む。
引用:小崎 順子.『楽しくおいしく 雑草クッキング』.雑草料理ア・ラ・カルト.社団法人 農山漁村文化協会、1990、P.102.
身近に生えてくれて且つ美味しい野草に、さらにこんなに効能があるとは驚きです!
見た目そっくりな仲間がいる
カラスノエンドウに見た目がそっくりな草が他にもあります。”スズメノエンドウ”と”カスマグサ”です。なんと、どれもカラスノエンドウ同様に食べられます。
見分け方は簡単で、葉を見るとカラスノエンドウが一番大きく、カスマグサとスズメノエンドウは細い葉です。
ちなみにカスマグサの名前の由来はカラスノエンドウとスズメノエンドウの間の大きさだということで、頭文字をとって「カ」と「ス」の間「マ」だからついた名だそう。
花についても、カラスノエンドウは濃い紫色、カスマグサは薄い紫色、スズメノエンドウは薄い青紫っぽい色でとても小さいです。実の数も大きい順で、カラスノエンドウ5~10個、カスマグサ3~6個、スズメノエンドウは1~2個です。
まとめ
全国的に分布し、身近に生えているカラスノエンドウは食べられます。
人間にとって大事な栄養素、タンパク質を豊富に含んでいるありがたい野草です。料理もしやすく、一般的な和食の調理法で美味しく頂けます。なにより、アクやクセがないので親しみやすいです。乾燥させ煎じれば薬効もあります。
また、見た目が似ているスズメノエンドウやカスマグサという仲間があり、同様に食べられます。
暖かい春風の中で、ぜひ野草を摘みに出かけてみてはいかがでしょうか。
(※野草の探し方で気を付けること』の記事もご一読下さい)
エッセイと実際作ってみたレシピはこちらから。