今回も、前回の本の続きです。(前回の記事はこちらから)
○著 者:岡本 央
○題 名:『泥んこ、危険も生きる力に
ないないづくしの里山学校』
○出版社:一般社団法人 家の光協会
○発売日:2019.8.20
こちらの里山学校には、
もう使われなくなった車や自転車などが持ち込まれます。
一体何に使われるのでしょうか?
岡本さんの写真には、
夢中になってそれらを分解している子供たちの姿や、
使えそうな面白いパーツを利用して
全く新しいユニークな作品を生み出す様子も写っています。
分解、理解、再生、創造。
機械を分解中の子供の写真と一緒に、
講師である直井さんの、こんな言葉が載せられています。
子どもたちは
出典:岡本 央.『泥んこ、危険も生きる力に ないないづくしの里山学校』.なんでも分解.家の光協会、2019、P.42.
壊すことが大好き。
分解、再生し、
自分の遊びに
変えていく。
これは柔らかい発想だと私は感じました。
考えが行き詰った時など、
大人にとりましてもすごく勇気づけられる言葉ではないでしょうか。
壊すことが大好き、とは
文字通り見るとかいじゅうや破壊神のようですが(笑)、
自棄的な方向の意味ではなく、
探究心と好奇心からくる衝動を、指していらっしゃるのではと私は思います。
沢山の大人たちが既に生み出してきた、車や機械や一輪車や、
沢山の部品から成る一つのモノ。
それを分解する作業。
それは子供たちにとって、
とても興味深い遊びであり、学びであり、
様々な情報のインプット作業なのかもしれません。
バラバラにした後にまたもとに戻せるかな?という不安など、
写っている子供たちからは微塵も感じられません。
道具片手に、真剣になって分解する様子は潔いです。
手に取って把握しながら、紐解いて、
そしていくうちに、自分だったらこうしたいという
今までにない独自のアイデアが芽生えていくのかなと思います。
壊すのはわるいことではなく、
作り手の努力を無碍にしたり当時の価値観を否定しているのでもなく、
自ら新たに何かを生み出すために通る道の一つかもしれません。
そう思うと素晴らしいですね。
疑問を持ちながらも、自分なりに理解しながら手に取れるのは、
自分への信頼も無意識下で育っていくと私は思います。
今ある仕組みをなぞるように捉えて、
考える材料を自分の中に集めることは、
真新しいアイデアの土壌を創っている・・・
そんなふうに、
ひとつの事象を決めつけずに広い流れから見れたならば
破壊や分解に対するイメージも、
私の中で変わってきそうです。
分解と理解と再生と創造。
車や機械に限ったことではなく、多様に変化する心も、
これと似ているのかもとふと感じました。
今日もここまでお読みいただき、ありがとうございます。
次回に続きます。